網膜色素変性症の患者さんにレスキュラ点眼液が処方されていることがあります。
この目薬、ラベルをみると「緑内障・高眼圧症治療剤」と書かれていて、初めて処方された網膜色素変性症の患者さんの中には「緑内障とも言われてないし眼圧も正常なのになんでこの薬なんだろう?」と思われる方もいると思います。
レスキュラ点眼液は緑内障だけではなく、それ以外の様々な疾患に使われることがあります。今回は網膜色素変性症とレスキュラ点眼液について説明します。
レスキュラ点眼液は眼圧下降作用に加えて、視細胞のアポトーシスの抑制網膜脈絡膜血流の増加あるいは改善作用があるといわれています。
網膜色素変性症患者が長期間レスキュラ点眼液をつかうことで、周辺視野狭窄の進行抑制や視野の改善が報告されています。
これは、レスキュラの薬効成分が、死にそうになっている網膜の視細胞をなんとか死なないようにがんばらせている働きをして、症状の進行を抑えているのではないかと考えられています。
そして、これらの作用は他のプロスタグランジン系の点眼液(キサラタンやルミガン、タプロス、トラバタンズなど)には見られない、レスキュラ(ウノプロストン)だけの効果です。
レスキュラ点眼はしみる!
このようにレスキュラ点眼は網膜色素変性症の患者さんには大切な点眼なのですが、さし心地があまりよくなく、「すごくしみる」という方が多いです。
人によっては痛いくらい沁みると感じる方もいます。何も知らずに初めて点眼して、しみてびっくりして「眼に悪いんじゃないか?」と不安になってしまわないように、当薬局では初めてレスキュラ点眼を処方された患者さんには、しみる旨を説明してお渡ししています。