皆さん、お元気ですか?巷では、現在、珍しく薬剤師が主人公のドラマが放送されていますね(*'▽')!!
そのドラマの第2話では、お薬を嫌がるお子さんへのお薬の飲ませ方が話題となっていました。乳幼児や小さいお子さんの服薬というのは難しく、当薬局でもなるべくご両親やお子さんの立場に寄り添った服薬指導ができるように心がけています。そこで、今回は、新生児~3歳頃までのお子さんへのお薬(粉薬)の飲ませ方について、説明したいと思います♪
1.新生児~6ヶ月前後
☆この時期のお子さんの特徴
離乳食が始まる前の6ヶ月前後までは、本能的に何でも飲み込もうとするため、お薬も比較的素直に飲んでくれることが多いといいます。
☆おススメの飲ませ方
①スポイトや哺乳瓶の乳首を使用
散剤を水に溶かして、スポイトや哺乳瓶の乳首を使って飲ませます。水の量が多いと飲みきれないことがあるので、溶かす水の量に注意しましょう(小さじ1/2~)。苦みが増すことがあるので、水に溶かすのは服用直前にしましょう。
*スポイトを使用する場合
むせたり吐き出すことがあるので、少量ずつ飲ませるように注意してください(目安:0.5mLずつ)。口のわきから、頬の内側に垂らしていくと味を感じにくいのでおススメです。
*哺乳瓶の乳首を使用する場合
お薬が乳首に残らないように、最後に水やぬるま湯を追加して飲ませましょう。
②お薬団子を作る
散剤に水を加えて、お薬団子にして、頬の内側や上あごに塗りましょう(舌は避ける)。お薬団子を作るときは、散剤を小皿に出し、スプーンなどで1滴ずつ水を加えては混ぜて状態を見ながら、加える水の量を調節しましょう(散剤の溶けやすさは薬の種類によって異なるため)。
お薬団子を口の中に塗ったら、口の中に薬が残らないように最後に水を飲ませましょう。
2.6ヶ月前後~3歳頃
☆この時期のお子さんの特徴
段々と自我が芽生え始め、味覚も発達してくるため、薬を飲むのを嫌がるようになります。離乳食が始まる頃なので、どうしても薬を飲むのが難しい場合は、食品に混ぜてて飲ませることが出来るようになります。
☆おススメの飲ませ方
①お薬団子を作る
→前項を参照
②水に溶かして飲ませる
服用の直前に散剤を水に溶かして、コップやスプーンで飲ませます。飲みきれないといけないので、少量の水(5~20mL程度)で溶かすようにしましょう。お薬を飲んだ後は、口の中に薬が残らないように水を飲ませてください。
③食品と混ぜる
嫌がってどうしても飲めない場合は、食品に混ぜて飲ませましょう。この場合、量が多いと飲みきれないことがあるので、少量の食品に混ぜるようにしましょう。お薬が口の中に残らないように、その後に水や残りの食品で流し込んでください。
➤ お薬、何と混ぜたらいい??
ミルクや母乳に混ぜるのは止めましょう(ミルクや母乳が不味いと認識して、その後、飲まなくなってしまうことがあるので)!薬の種類によって、組み合わせの良い食品と悪い食品があるので注意してください。
*お薬と食品の組み合わせ例
・クラリシッドドライシロップ
おススメ:練乳、アイスクリーム、お薬ゼリー(チョコ味)
絶対NG:酸性のヨーグルトやオレンジジュース、イオン飲料など
・タミフルドライシロップ
おススメ:イオン飲料、アイスクリーム(チョコ味)、ヨーグルト(酸味控えめ)
絶対NG:お薬ゼリー(ピーチ、チョコ味)など
・セフゾン細粒小児用
→おススメ:リンゴジュース、アイス、ヨーグルト
※注意:お薬によっては、ハチミツに混ぜる場合もあると思いますが、乳児ボツリヌス症を発症することがあるので、生後1歳未満の乳児には絶対に与えないでください!
❄小さなお子さんの服薬Q&A❄
Q1.『食後』にお飲みくださいと書かれているけれど、食事の後ではないと飲んではいけないの?
A. 食後と指示されている薬でも、必ずしも食後に飲む必要のない場合が多くあります。薬を受け取る際に、医師や薬剤師に確認してみるといいでしょう。
特別に食後に飲む必要がない場合、食後だとお腹がいっぱいで飲んでくれないことがあるので、食事や授乳の前は服薬のタイミングとしておススメです。
小さいお子さんは睡眠や食事の時間が定まらないことが多く、指示通りに飲むことが難しい場合がありますが、その場合は、飲めるときに飲ませ、次回分は服用の間隔を十分にあけて飲ませるようにしましょう(例:1日3回の薬であれば、最低でも4時間以上はあける)。
Q2. セフゾン細粒小児用と鉄剤を一緒に飲むときは時間をあけるように言われましたが、鉄を含む粉ミルクを飲ませるときも注意が必要ですか?
A. セフゾン細粒小児用と一般的な粉ミルクは、時間をあけずに飲んでも問題ありません。
鉄剤とセフゾンを一緒に飲むと、セフゾンの吸収が大きく低下するため、3時間以上間隔をあけて飲む必要があります。
しかし、一般的な鉄を含む粉ミルクに関しては、お薬の吸収量は少し減少するものの、効果には影響がないと考えられるそうです(メーカーより)。したがって、お薬を飲ませた直後に粉ミルクを飲ませても問題ありません。この場合、便や尿が赤色になることがありますが、問題はありません。
いかがでしたか?残念ながら、小さなお子さんへのお薬の飲ませ方に万能な正解はありません。いろいろな飲ませ方を試しながら、お子さんにあった方法を見つけていきましょう。
小さなお子さんにお薬を飲ませるのは難しく、特に初めての場合などは、飲ませる側の方も緊張して上手くいかないことも多くあります。あまり上手く飲ませられなくても、自分を責めずに、『次また頑張ろう!』くらいの気持ちで取り組んでもらえるといいと思います。お困りの際は、ぜひ薬剤師にもご相談くださいね♪