前回の記事では、基本的な点眼方法を説明しました。今回は、当薬局で患者さんからよく受ける質問の内容をまとめてみましたので、ぜひ参考にしてみてくださいね♪
Q. 目薬は1回1滴でよいですか?何滴も点した方が効果が出ますか?
A. 原則として、1滴で十分です。
何滴も点した方が効き目があるような気がするし、目から目薬が溢れるから十分に入っていない気がして、何滴も点眼したくなることもありますよね?しかし、点眼液1滴は30~50μLなのに対し、目の中には20μLぐらいしか入らないため、1滴入れば十分な場合がほとんどです。
目に入ったか心配な場合は、何滴か点眼しても問題はありませんが、たくさん点してもそれだけ効果が強くなるということはありませんし、目の周りにあふれた点眼液で目の周りの皮膚があれてしまうこともあります。
「うまく点眼できない」、「目に入ったかどうかわからない」ために何滴も使ってしまう場合は、点眼液をあらかじめ冷蔵庫で冷やしておき、冷たさを感じることで入ったかどうかを確かめる方法がありますので、試してみるとよいでしょう。
Q. 点眼した後は、瞬きをした方が効果がでますか?
A. 瞬きは効果を弱めてしまう可能性があるのでやめましょう。
点眼後に瞬きをすると、眼表面全体に目薬がいきわたり、効果が出るような気がして一生懸命瞬きをしてしまう方がいます。しかし、瞬きをすることによって、せっかく点した点眼液が涙点から排出され、目の外に押し流されてしまいます。また、押し流された点眼液が鼻などに流れ込んで、全身に薬の成分が取り込まれ、全身性の副作用が出ることがあります。
目薬の効果を十分に得るためには、点眼後1~5分程度、まぶたを静かに閉じて目頭を軽く押さえるといいでしょう。そうすることで、十分な効果が期待できるだけではなく、全身性の副作用のリスク軽減にもつながります。
Q. 目薬を点した後、すぐに次の目薬を点してもいいですか?
A. 時間(基本的には5分以上)をあけて点眼する必要があります。
目薬を点した後、すぐに次の目薬を点してしまうと、後から点眼した方の目薬が目の中にうまく入らずに溢れてしまったり、先に点眼した目薬が後から点眼した目薬によって洗い流されてしまい、効果が十分に得られないことがあります。
目薬を点した後は、5分以上待ってから次の目薬を点すようにしましょう。目薬の種類によっては、10分以上間隔をあける必要がある場合もありますので、医師や薬剤師に確認しておきましょう。
Q. 目薬が命中せず、うまくさせません。どうしたら良いですか?
A. 点眼方法にはいくつか種類があります。自分に合った点眼方法を見つけましょう。
①アカンべー法
利き手で目薬を持ち、反対側の手は人差し指を立て、他の指は握ります。人差し指で下まぶたを軽く引きます。
目薬を持った利き手を反対側の手の上にのせ、容器の先がまぶたやまつ毛に触れないように注意して点眼します。
アカンべー法
(参天製薬『点眼治療をはじめられる患者さまへ 大切な視野をいつまでも守るために』より)
②げんこつ法
利き手で目薬を持ち、反対側の手でげんこつを作ります。げんこつで下まぶたを軽く引きます。
目薬を持った利き手をげんこつの上にのせ、容器の先がまぶたやまつ毛に触れないように注意して点眼します。
指先に力が入りにくいご高齢の方におすすめの方法です。
げんこつ法
(参天製薬『点眼治療をはじめられる患者さまへ 大切な視野をいつまでも守るために』より)
その他に、点眼補助具が使用できる目薬もあるので、薬剤師に相談してみるといいでしょう。
*点眼補助具の例
・ザライーズ(キサラタン、ザラカム点眼液 専用)
・らくらく点眼(カワモト産業、様々な点眼液に適合)
新お茶の水薬局では、正しい点眼方法についての指導を行っています。
点眼方法についてお困りの方は、ぜひご来局ください!!お待ちしております♪