これまでもドライアイに関する記事は投稿してきましたが、これから何回かにわけてドライアイの基本や治療、お薬、そしてサプリメントについとお話をしたいと思います。
【ドライアイと涙目が同時に起こる・・・こんな症状はありませんか?】
涙がたくさん出るので受診したのに、何故、ドライアイと言われるのでしょうか?目が乾いて受診したのに何故、涙が止まらず涙目になるのでしょうか?
(涙が多いときの症状)
- 涙が多く出過ぎて不快。
- 目の周りがかぶれたり、涙が滲んで、ウルウルッとするので、見え方もよくない。
- 頻繁に拭き取ったり、目をこすることが多い。
- パソコンなどのOA機器(特にブルーライト)の長時間使用中に涙目になる。
- 冷たい風に吹かれると急に涙が出始める。
(涙が少ないときの症状)
- 目がゴロゴロする。
- 眼が疲れやすい。
- 眼の表面が傷つきやすい。
【一般的な目の乾燥感のチェック(軽症や予備軍を含む)】
異物感、眼の痛み、まぶしさ、眼の疲れなど、多彩な慢性の眼の不快感を生じたり、目を使い続けることによる視力の低下が起こることがあります。
【涙が作られて排出されるまでの仕組み】
涙の分泌から流れ出る通路についてみてみます。涙が出るのは悲しい時や感激した時ばかりではありません。涙は瞼の上側や、やや外側にある涙腺という部分で作られて、瞬きで目の表面に行き渡ります。大半は、目頭にある「涙点」という小さい穴から鼻の奥の鼻涙管という管を通って排出され、一部は眼の表面から蒸発します。
涙腺から分泌された涙は、約10%が空気中に蒸発し、残りの90%が上下にある涙嚢に一時的に貯められ、鼻涙管を通じて鼻腔に流れます。涙は1日に2~3 mLが絶えず分泌されていますが、眠っている間は殆ど分泌されません。
出典:医療法人社団 江山会 江口眼科病院
【涙液の構造】
眼の表面において、何らかの原因で涙液層のバランスが崩れて、涙液層が減少すると、反射的に涙液の量が上昇し、安定した涙液の相を維持します。
涙は、油層、水層、ムチン層という成分の3層(涙液層)から成り立ち、それぞれがバランスを保つことで涙全体の安定性を保っています。
ドライアイの患者さんは、この涙の状態が不安定になり、涙が蒸発しやすくなったり、眼の表面に傷がつきやすくなっています。このように、涙液層のバランスを崩す要因があると、眼の表層上皮が障害を受けて、涙液層の安定性が崩れ、眼の表面が乾く方向に進んでしまい、悪循環となって症状が進んでしまいます。
【涙の役割】
- 眼に入ったゴミや異物を洗い流す。眼表面の洗浄。
- 眼球表面(角膜・結膜等)に水分・栄養・酸素を送る。
- リゾチームという殺菌酵素が微生物(雑菌等)から眼を守る。
- 眼球運動円滑作用
- 光学的性質の保持
ですから、涙は必要に応じて常に適切な量を必要としており、少なすぎても多すぎても困ります。
ドライアイと涙目が同時に起こる原因
- 涙道狭窄:涙の排水不全症のある時(涙の逃げ道の管が詰まったり、狭くなっている)炎症(結膜炎、強膜炎、ぶどう膜炎、アレルギー)のある時(疼痛、掻痒、腫脹、充血、熱感、発赤、組織の機能不全を伴うことが多い。)
- 物理化学的刺激(内反症、さかさまつげ) 、異物混入、角膜の傷)のある時(ドライアイがもとで、涙が少なすぎて、眼の目の表面に刺激を起こしたり、異物が洗い流されずに角膜の表面に傷ができたり、睫毛で傷や刺激があったりすることで、反射的に涙が過剰に分泌するため。
- 涙が少ないため、瞬きする際に起こる、荒れた角膜と瞼の裏との摩擦刺激によるため。
- 涙の質が低下した時(涙が滑らかさを失いその刺激で涙が多く出ます。何らかの原因で、涙のムチン層が破壊されると、涙の過剰な蒸発を補うために希薄な涙液ばかりが分泌するため。)
・・・ドライアイとは乾性角結膜炎という病名がついています。
いかがでしたか?なんとなく知ってる!って感じでしたかね。