病院でドライアイに処方される薬をまとめました
カッコ内の名前はジェネリックの例です
角結膜上皮障害治療用点眼剤
ヒアレイン点眼液0.1%(ティアバランス点眼液、ヒアロンサン点眼液など多数あり)
有効成分:精製ヒアルロン酸ナトリウム
防腐剤:入っている
特徴:
- 優れた保湿性があり、濃度の規格は0.1%と0.3%がある。
- 0.1%が一般的によく処方される。0.3%は高濃度で独特のとろみがある。
- ドライアイ以外にも、眼瞼痙攣、角膜上皮の傷にも処方されることがある。
ヒアレインミニ点眼液(ヒアロンサンミニ点眼液)
有効成分:精製ヒアルロン酸ナトリウム
防腐剤:入っていない
特徴:
- 防腐剤が入っていないため一回ずつの使い捨てタイプになる。
- ボトルタイプに比べ薬価が高い。
- 優れた保湿性があり、濃度の規格は0.1%と0.3%がある。
- 0.1%が一般的によく処方される。0.3%は高濃度で独特のとろみがある。
- ドライアイ以外にも、眼瞼痙攣、角膜上皮の傷にも処方されることがある。
ヒアルロン酸ナトリウムPF点眼液「日点」
有効成分:精製ヒアルロン酸ナトリウム
防腐剤:入っていない
特徴:
- 防腐剤の入っていないボトルタイプの点眼。
- メンブランフィルター使用の為開封後4週間使用可能。
- 容器が特殊なので慣れるまで使いにくさを感じる方もいる。
- ジェネリックの為ヒアレインやヒアレインミニに比べ薬価が安い。
- 優れた保湿性があり、濃度の規格は0.1%と0.3%がある。
- 0.1%が一般的によく処方される。0.3%は高濃度で独特のとろみがある。
- ドライアイ以外にも、眼瞼痙攣、シェーグレン症候群やスティーブン・ジョンソン症候群などの角膜上皮の傷にも処方されることがある。
ムチン/水分分泌促進点眼剤
ジクアス点眼液3%
有効成分:ジクアホソルナトリウム
防腐剤:クロルヘキシジングルコン酸塩液
特徴:
- 涙の主成分のムチンや水分の分泌を促し、涙の量の増加・涙の質の改善する働きがある。
- 使用しているとボトルの先に白い結晶がつくことがあるが、清潔なティッシュなどでふき取ればOK。
- ドライアイ以外にも、眼瞼痙攣、角膜上皮の傷にも処方されることがある。
特徴的な副作用:眼刺激感、粘つくような使用感を感じることがある
ムチン産生促進剤
ムコスタ点眼液UD2%
有効成分:レバミピド
防腐剤:入っていない
特徴:
- 胃薬のレバミピド錠と同じ成分。
- 角膜上皮細胞のムチン遺伝子発現を亢進し、細胞内のムチン量を増加させる。
- また、角膜上皮細胞の増殖を促進し、涙の質を改善する。
- 2か月程度継続して使うことでより効果がえられる。
- 牛乳のような真っ白の懸濁液の為、点眼後2分程度視界がくもる。また、目の周りに液体がこぼれるととても目立つのですぐふき取るようにする。
- 独特の苦みのある味の為、点眼後しばらくしてからのどの奥に違和感を感じることがある。
- 遮光保存が必要。
- ドライアイ以外にも、眼瞼痙攣、角膜上皮の傷にも処方されることがある。
~追補~ムコスタUD点眼液とホウ酸含有製剤について
ムコスタ点眼の配合変化試験において、ムコスタ点眼液を点眼した後にホウ酸含有製剤(ティアバランス・マイティア・アレジオン・デュオトラバ等)を投与したところ、白濁の沈殿が認められている。ムコスタ点眼液中のポリビニルアルコールと、ホウ酸が架橋反応しゲル化が引き起こされたと考えられている。
そのため、ムコスタ点眼液を最後に5分以上あけて点眼するよう説明する。(メーカーより15分あければ十分とのこと)
重大な副作用として、涙道閉塞(0.1~5%未満)、涙嚢炎(頻度不明)があり、それらの症例では涙道内に白色物質が認められることがある。
・・・ムコスタUDはお出かけの時に、外で点眼するのは抵抗がある!という患者さんもおられ、お出かけされるときはジクアスを点眼し、お出かけされないときはムコスタUDで、という処方もたまに見受けられます。
服薬指導などにお役に立てれば光栄です