新お茶の水薬局ブログ Shinochanomizu Pharmacy

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ドライアイのトピックス

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 こんにちは

じつは、このブログの担当者である私こと、趣味はスマートフォンいじり・インターネットなのですが、夜になってくると、だんだん「目がシパシパ」することがあります。目の乾きは「目がカピカピする」「目がシバシバする」「目がしょぼしょぼする」ともいいますね。みなさんなら、なんと表現しますか。私こと・・市販の目薬等を点眼すると一時的に解消されます。この程度の症状なら心配ないらしいのです。が、少し心配だったので、知り合いの眼科の先生におうかがいしました。 「気をつけたほうがいい場合がある」とのこと。 とくに、症状を放置していて、朝起きると目が開けていられない程、しみる感じがしたり、なかなか目をあけられなかったり、目やにが出たり・・。 そういうときは、さすがに眼科にいらしてくださいね。とのことです。
 
 ドライアイって何?
5月10日は、令和元年に「ドライアイ診療ガイドライン」が公表されて2周年でした。それによると、ドライアイは「様々な要因により涙液層の安定性が低下する疾患であり,眼不快感や視機能異常を生じ,眼表面の障害を伴うことがある」と定義されています。(日眼会誌2019;123 (5):516)日本および東アジアの定義の特徴は、涙液(るいえき)の安定性低下がドライアイの本質であることを明確にした点にある、とのことです。 
 
ドライアイの有病率
ドライアイ診療ガイドラインによればドライアイの有病率はドライアイの定義によって研究ごとに異なるが,日本での 40 歳以上の住民を対象にした大規模疫学調査(Koumi Study)では男性12.5%,女性 21.6%とのことです。(日眼会誌2019;123 (5):518)
 
 ドライアイ診断基準のポイント
ドライアイ研究会のホームページによれば、ドライアイ診断基準のポイントについて「重要ポイントはBUTが5秒以下、かつドライアイ症状があればドライアイと確定診断されることである。」と公表されています。(http://dryeye.ne.jp/for-member/definition-and-diagnosis/BUTというのは涙液層破壊時間の略称です。BUTについては、大塚製薬ホームページ「ドライアイの検査と治療」にわかりやすい説明があります。それによれば「10秒間まばたきをしないで、目の表面の涙の状態を観察します。 まばたき直後は、涙の膜が均一に角膜表面を覆っていますが、時間がたつにつれて涙の膜が壊れて角膜が露出する部分ができてしまいます。 これが起こるまでの時間を涙液層破壊時間(BUT)といいます。」とのことです。(https://www.otsuka.co.jp/decoboco-eye/ophthalmology/inspection.html
 
 ドライアイの問診票
参天製薬株式会社とドライアイ研究会の共同研究で開発された「ドライアイ問診票(Dry Eye related Quality of life Score: DEQS)」が公開されています。(http://dryeye.ne.jp/cp-bin/wordpress5/wp-content/themes/dryeye/file/DEQS_japanese.pdf自記式PDF2枚ですので、眼科を受診する前に、さっそく記入してみましょう。目の症状6項目、日常生活への9項目からなり、とくにB欄スコア合計÷有効回答数×25で算出される「QOLスコア」が高いときは要注意なようです。(http://dryeye.ne.jp/cp-bin/wordpress5/wp-content/themes/dryeye/file/about_DEQS_utilization.pdf
 
 ドライアイの症状
ドライアイの自覚症状では、目の痛み(眼痛)・ゴロゴロ感(異物感)・乾燥が上位を占めますが、目の充血・目やに・涙が出るといった、一見するとドライアイらしくない症状もそれなりの頻度を占めています。(田川義晃:MB OCULI 2020;89:1-11)表:BUT短縮型ドライアイ患者の自覚症状(山本雄士,他:日眼会誌2012;116(12):1137-43)         
          眼痛                     64.9% 
          異物感                  63.6%           
          乾燥                     50.6%          
          眼疲労                  24.7%       
          霧視                     23.4% 
          開瞼困難              23.4% 
          充血                     16.9% 
          眼脂                     15.6%   
          流涙                     10.4%
 
  新しいドライアイ治療の開発が進行中です
ドライアイの乾燥感はTRPM8という温度低下や浸透圧上昇を感知する分子(sensing molecule)が冷感覚性神経に発現し、感知されます。他覚症状に比べて不釣り合いに強い自覚症状のあるドライアイは、角膜における冷感覚性神経の応答変化や角膜痛覚過敏が一因と考えられ始めています。さらに近年では、ドライアイにより中枢神経回路にも影響が生じることが徐々に明らかになっています。このため、現在、神経をターゲットにしたドライアイ治療の開発が進行中です。(田川義晃:MB OCULI 2020;89:1-11)