今回は緑内障についてまとめていきます。
WHOによると、世界では、少なくとも22億人が視力障害を持っています(2021年2月26日の公表)。
これらのケースの少なくとも10億、またはほぼ半分では、視力障害は予防されたのではないか、あるいは、まだ対処されていない状態と考えられています。
予防あるいは対処が可能な中で、代表的な疾患の一つ、緑内障は(770万人)とのことです。
緑内障は、失明原因の一つとなる大切な疾患です。
白人にくらべ、日本人は、緑内障の頻度が多いのが特徴です。
視神経の損傷により、放置すれば、不可逆的な視力喪失に至ります。
病気を予防することはできませんが、早期診断と早期治療の開始により、視力喪失を予防または遅らせることができます。
治療の目標は、眼圧を下げることによって、病気の進行による視力のさらなる悪化を防ぐことです。
点眼薬は最も大切な治療手段の一つです。
点眼薬のほかに、レーザー治療または手術による、眼圧を下げる効果も期待されます。
眼圧は、緑内障の進行と視力喪失を防ぐ代理マーカーです。
点眼薬は、眼圧を下げるために、目の中の水の流れを減らしたり、水の排出を増やしたりことで、機能しています。
異なるクラスの点眼薬を組み合わせることで、単剤療法よりも眼圧が低下する可能性があり、最初の単剤療法が効果的でない場合は、2番目の薬剤を追加するのが合理的です。
点眼薬は、先発品と後発品があり、薬効の同等性が成立しています。両者を比較すると、薬理学的には最高眼圧変化量や、眼圧下降―時間曲線下面積に差があることが指摘されています。
(中田雄一郎,他:緑内障点眼剤の生物学的同等性試験.大阪大谷大学紀要 2019;53 153-161頁)