みなさま、こんにちは。春になりましたね🌸
様々な環境の変化があった方もいらっしゃると思いますが、いかがお過ごしでしょうか?
さて、春先や秋口といった季節の変わり目に悪化しやすい疾患の一つに、『喘息』があります。今回は、その『喘息』について薬剤師の立場から、少しお話してみたいと思います。
1.そもそも喘息とは?
喘息は、気道が慢性的な炎症を起こし、可逆性の気道閉塞(気流制限)が生じる疾患です。主に免疫反応が関与していると考えられています。
慢性的な炎症の結果、気道の壁が厚くなり、また、様々な刺激に対する過敏性も亢進するため、健康な人なら反応しないような弱い刺激に対しても反応してしまい、それを引き金として発作性に症状を繰り返します。
主な症状としては、喘鳴(息を吸うときにゼーゼー、ヒューヒューといった音が連続して聞こえる状態)や咳、痰、息苦しさなどがあります。
2.薬物治療の目標とポイント
1)喘息治療の目標
喘息治療の目標は、喘息症状をなくすことにあります。
根本的な治療は難しいとされていますが、薬物治療により発作や呼吸困難などの症状を予防・緩和することが出来れば、重症化を防ぎ、より快適な生活が送れるようになります。
2)薬物治療におけるポイント
喘息の薬物治療で特に重要なポイントは主に2つあります。
①使用するお薬には、大きく分けて2種類ある!
→長期管理薬と発作治療薬があります。
〇長期管理薬
…発作が出ていない時に使用するお薬です。
気道で起きている慢性的な炎症を鎮めたり、気管支を広げることで、症状を改善させたり、発作が起こらないようにします。
〇発作治療薬
…発作が出ている時に使用するお薬です。
速効性が期待できる気管支拡張剤などが使用され、息苦しさなどの症状をすばやく緩和します。
大まかにいうと、長期管理薬には速効性は期待できないが効果の持続時間が長いもの、発作治療薬には速効性は期待できるが効果の持続時間が比較的短いものが用いられていることが多いです。
したがって、この2種類のお薬を間違って使用してしまうと、期待していた効果が得られず大変なことになってしまうので、しっかりと役割の違いを理解しておくことが重要です。
②喘息症状が出ていない時も、医師の指示通りにお薬は継続することが非常に重要!
発作が出ない日が続くと、一見、喘息が治ったように感じてしまうかもしれません。
しかし、症状は出ていなくても、気道では発作の火種が常にくすぶっている状態です。
発作を起こさないために、医師の指示通りにお薬は継続することが非常に重要です。
さて、喘息治療でよく使用されるお薬に『吸入薬』というものがあります。
文字の通り、口から吸って使用して頂くお薬のことなのですが、次回のブログ記事では、この『吸入薬』についてより詳しくお話していきたいと思います。
興味のある方は、ぜひ次回のブログ投稿もご覧ください(*^^*)