新お茶の水薬局ブログ Shinochanomizu Pharmacy

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喘息のお話②~吸入薬の基本と効果的な吸入方法、副作用対策について~

みなさま、こんにちは (*^-^*)

暑い日も増えてきましたが、いかがお過ごしでしょうか?

 

 さて、今回は以前の投稿でもあらかじめお伝えした通り、喘息の治療でよく使われる『吸入薬』について少しお話したいと思います。

 

 

吸入薬のメリット・デメリット

 喘息治療でよく使用される吸入薬ですが、まずはそのメリットデメリットについてお話していきたいと思います。

 

 吸入薬は、口から吸ってお薬が直接気道や肺に届くので、

✅飲み薬や貼り薬に比べて速効性が期待できる

(主に、短時間作用性β2刺激薬)

 

また、全身にまわるお薬の量も少ないため、

✅全身性の副作用のリスクが軽減できる

 

といったメリットがあります。

 

 しかし、飲み薬や貼り薬と比べて、

✅吸入が上手に出来たかどうかで得られる効果に差が出やすい

✅その手間から吸入が面倒に感じられてしまうリスクがある

 

というデメリットもあります。

 

 吸入薬が処方された場合には、しっかりと効果的な吸入方法をマスターし、そのお薬の使用目的(役割)や重要性を十分理解した上で、医師の指示通りに適切に使用することが非常に重要です!!

 

喘息治療の基本については、ぜひこちらの記事もチェック! ↓↓↓

shin-ocha.hatenablog.com

 

 

吸入薬として使用されるお薬の種類

1)長期管理薬(発作が出ていない時に使用)

 ①吸入ステロイド薬(ICS)

 …気道の炎症を抑える。喘息の長期管理の中で、一番基本となる薬。

 ②長時間作用性β2刺激薬(LABA)

 …気管平滑筋の緊張を緩め、気道や気管支を広げることで、呼吸機能を改善する。

 速効性はないものが多いが、比較的持続時間が長い。

 ③長時間作用性抗コリン薬(LAMA)

 …気道平滑筋の収縮を抑え、気道や気管支が狭くなるのを防ぐことで、呼吸機能を改善する。

 

2)発作治療薬(発作が出ている時に使用)

 ①短時間作用性β2刺激薬(SABA)

 …気管支平滑筋の緊張を緩め、気道や気管支を広げることで、呼吸機能を改善する。

 速効性はあるが、比較的持続時間は短い。

 

 なお、ICSとLABAの合剤(例:シムビコート®)を長期管理薬+発作治療薬として使用することもあります(SMART療法)。

 

 

効果的な吸入方法をマスターしよう!

 ここからは、効果的な吸入方法をマスターするために有用な情報をいくつかお話していきたいと思います。

 

 吸入デバイスごとに、息の吸い方などコツやポイントはありますが、ここでは、あらゆる吸入デバイスに共通して知っておいて頂きたい吸入方法や情報について簡単に紹介していきたいと思います。

 

1.より多くの効き目を得るために!重要な『ホー吸入』とは?

 お薬を口から吸入する際、その通り道に『舌』があるため、気を付けていないと舌にお薬が付着してしまい、気道や肺に到達するお薬の量が減ってしまうことがあります。

 

→そこでその対策として考案されたのが、『ホー吸入』です。

 

 吸入する際には、なるべく舌を下げて喉の奥を広げて、お薬の通り道を広く保つようにすると、舌へのお薬の付着量を減らすことが出来ると考えられますが、その状態を実現するのに適しているのが『ホー』という発音だそうです。

 『ホー』と言った時の状態が、最も舌の位置が下がるとともに、喉の奥が広がって口先が閉じ、吸入に適した状態となるとのことです。

 

簡単にポイントを説明すると…

 

  • 舌を下の歯よりも前に出してから、『ホー』と大きく発音する。
  • 吸入デバイスを口にくわえる時、舌の上に吸入口を乗せるようにする。
  • あごと吸入器の後ろを上げて、少し上を向き、吸入器の先がのどの方向に向くようにする。
  • 舌を下げたまま、頭の中で『ホー』と思いながら大きく息を吸う。

 

という内容になるかと思います。

 

 これから吸入治療を始められる方も、今すでに吸入治療をされている方も、ぜひ、やってみて頂ければと思います。

 

『ホー吸入』についてもっと詳しく知りたい方は、日本喘息学会のホームページを検索すると、解説動画やパンフレットを閲覧することが出来ますので、ぜひ見てみてください!

 

2.吸入薬(単剤)を併用する場合、推奨される順番は?

 現在では、ステロイドと長時間作用性β2刺激薬、抗コリン薬など複数種類のお薬が合わさった合剤を治療に使用することが多いので、吸入の順番を気にする必要がない場合も多いです。

 しかし、お薬が1種類ずつ入った単剤の吸入薬を併用する場合は、喘息では、β2刺激薬を先に吸入することで、気道や気管支が広がり、吸入ステロイドあるいは抗コリン薬の吸入効率が増すことが期待できるので、β2刺激薬→抗コリン薬→ステロイドの順に吸入するようにしましょう。

 

副作用について

1)吸入薬の主な副作用

 吸入薬の主な副作用には、以下のようなものが挙げられます。

①吸入ステロイド

 …嗄声(声がかすれたり、ガラガラ声になったりする)

  口腔内カンジダ症(健康な人の口の中にも常在しているカビの1種であるカンジダ菌が、免疫力の低下などにより異常繁殖しておこる感染症)など

②β2刺激薬

 …心血管症状(頻脈、動悸など)

  精神神経症状(頭痛、振戦など)

  消化器症状(吐き気、嘔吐など)

③抗コリン薬

 …口渇など

 

2)副作用対策

☆吸入した後はうがいをしましょう!

 口腔内やのどに付着したお薬を取り除くことで、副作用のリスクを減らすことが出来ます。

口の中3回(ぶくぶくうがい)、のどの奥まで3回(がらがらうがい)ずつうがいをしましょう!

 うがいが困難な場合には、口の中をすすぐようにしましょう。

 また、うがいや口の中をすすいだ後の水は飲みこまず、吐き出すようにしてください。



 

いかがでしたか?

 新お茶の水薬局では、喘息などの治療における吸入指導(吸入薬の使用方法などの指導)も行っております。

 吸入治療をはじめられる方、今すでに吸入治療を行っているが使い方に不安がある方などは、お気軽に薬剤師までご相談ください♪